お酒を飲むとトイレが近くなる、というのは誰にでも経験があることでしょう。いつもはそれほどトイレに行かなくても、数分すると尿意を感じてたくさん出るようになります。
ここでは、なぜアルコールを摂取すると頻尿になるのかを見ていきます。
なんでトイレが近くなるの?
お酒を飲むとトイレに行きたくなる理由は3つあります。
アルコールが抗利尿ホルモンの分泌を抑えること、お酒に含まれているカリウムが体内の水分排出を促すこと、水分をたくさん摂取すること、です。
3つ目の水分をたくさんとることが頻尿をもたらすというのはわかりますが、その他の2つの抗利尿ホルモンとカリウムがどのような影響を与えているのか、以下で確認していきます。
抗利尿ホルモンって?
抗利尿ホルモンは、視床下部から分泌されています。
アルコールにはこのホルモンの分泌を抑制して、水分を体内に吸収させずに体外に排出させてしまう作用があります。これが尿意をもたらす原因になります。
抗利尿ホルモンは腎臓で行われている水分の再吸収を促す作用があります。
血管は腎臓を1回目に通った時には塩分や老廃物、水分を回収します。さらにもう1回通る2回目には、回収しすぎた水分を再吸収して体内に戻す働きがあります。
しかし、抗利尿ホルモンが働くとこの2回目の再吸収の量が減るので、尿量が増えてトイレが近くなるということです。
カリウムも関係している
ワイン、ビール、日本酒などにはカリウムが含まれています。
体内に存在していて良いカリウムの量は決まっています。カリウムが多くなるとカリウムの量が多くなり、余分なカリウムを体外に排出しようとします。
お酒を飲むと、血管外はカリウム濃度が低い状態、血管内はカリウム濃度が高い状態になります。すると血管外から血管内に水分が移動します。濃度が低い方から濃度が高いほうへ移動することを、浸透圧と言います。
さらに抗利尿ホルモンの働きが抑えられているので腎臓で再吸収されずに尿量が増えるので、トイレが近くなります。
あまりにも頻尿続いて水分が出続けてしまうと、脱水症状を引き起こすこともあります。
脱水症状は命に関わる危険性もあるので、ミネラルウォーターなどで水分補給をしておきましょう。
お酒を飲むとトイレが近くなってしまうのは生理現象なので、自力で止めることはできません。何度もトイレに行くのは失礼になると感じる場面もありますが、我慢すると気分が悪くなってしまうので、生理現象と割り切ってトイレに行くようにしましょう。