おしっこをしたあと、尿が出きっていない感じ、尿が残っている感じのことを「残尿感がある」といいます。
この原因として一番多いのは膀胱炎ですが、膀胱炎ではない残尿感のある病気は、男性では前立腺肥大症、前立腺癌、若い男性では前立腺炎、それと神経因性膀胱、女性にのみある骨盤性器脱があります。
前立腺肥大症の原因と治療について
前立腺は膀胱の下にあり、尿道を取り巻いており、精液の一部である前立腺液を作っています。
前立腺はホルモンの影響で年を取ると大きくなり、尿道を圧迫するようになります。
健康な人は尿の出が良く短時間で排尿が終わりますが、前立腺肥大症の人は尿道が圧迫され、排尿時間が長くなり、排尿後にも残尿感が残るようになります。
症状が進むと、膀胱が膨らむ膀胱憩室になったり、膀胱結石ができやすくなったり、さらに腎臓障害を起こす可能性もあります。
治療には尿を出しやすくする薬、男性ホルモンを抑える薬、漢方薬とかノコギリヤシのような植物エキスを用います。
前立腺肥大症以外の前立腺の病気について
前立腺肥大症は尿道から細菌やマイコプラズマやクラミジアが入り感染して起きる病気で、若い男性に多いです。
前立腺は細菌感染はあまりしないものですが、疲労などで免疫力が落ちると起きやすくなります。治療には、抗生物質や抗菌性物質を使います。
また、前立腺肥大症と同じ症状で、男子ホルモンの影響で起きる病気に前立腺癌があります。
前立腺癌の原因が不明ですが、細胞が無秩序な増殖を行う事により発生し、前立腺肥大症に似た症状を示します。
最近は症状がなくても、血液検査で主要マーカーを調べることで前立腺がんかどうかが分かります。早期発見で、手術、放射線治療、ホルモン療法、抗癌剤治療などで、治癒率が上がっています。
女性に見られる膀胱炎ではない残尿感のある病気
膀胱炎は女性に多い病気です。細菌が尿道から膀胱に感染する事により起こります。
治療は水分を多めに取ることと、抗生物質や抗菌剤を飲むことでおさまります。症状が改善されたからといって勝手に治療を止めることは危険です。
膀胱炎ではない女性にある残尿感のある病気は、骨盤性器脱です。
直腸が下がると便秘や排便困難になり、子宮が下がると陰部に何か物があるような感じになり、膀胱が下がると尿失禁や排尿困難や残尿感や頻尿が起こります。
原因は老化や閉経の夜骨盤底筋群という筋肉の衰えです。治療は手術とその後のリハビリが必要です。