「おしっこが近くなるのは年をとったから」
そう言う高齢者の男性は多いです。それはあながち間違っていません。
男性はみな、年をとると前立腺が肥大していくことがわかっています。
人によってそれが30代から大きくなる人もいるし、50代になってから、60代の人も、80代になってからの人もいます。
大きくなる前に寿命がくる方もいますが、前立腺は歳をとると大きくなるものなのです。
トイレの時間を考えてみよう
問題はそれが尿道を圧迫するほど大きくなってきたとき。なぜ前立腺が大きくなると頻尿になるのか、ということですが、まず前立腺が大きくなって尿道を圧迫すると排尿、おしっこをだすことが難しくなってきます。
最近、トイレの時間が長くなってきているかも、という方は注意です。
さらに前立腺が大きくなると、その上部の膀胱を圧迫し、変形を起こします。
ただでさえ尿が出しにくくなっているのに、膀胱圧迫・変形があると膀胱に尿がためづらくなったり、最後まで尿をだせなくなる(残尿)ようになります。
これが、トイレが近くなる(頻尿)原因で、前立腺が大きくなることで排尿と蓄尿のどちらにも障害が起こった結果なのです。
手術以外の方法とは?
あまりにも前立腺が大きくなりすぎた場合は手術でその前立腺を削る、という治療になりますが、そこまでお大きさではない場合は薬での治療になります。ここでお医者さんからよく処方されるのがフリバス、ユリーフ、ハルナール、アボルブです。
アボルブは前立腺を小さくさせる働きをもちますが、効果が出るまでに時間がかかります。また、前立腺が30cc以上(通常の約1.5倍以上)にならないと使えません。
ですので、飲むと前立腺を弛緩させ、尿道の圧迫を軽減するフリバス、ユリーフ、ハルナールなどの薬が使われるになります。
フリバスは他の2剤と同様のα1ブロッカーという部類になりますが、その中でも働く箇所(サブタイプ)が違います。なので、ハルナール、ユリーフで効果が得られなかった方でもフリバスならよく聞く、という方もいますし、逆のパターンもありえます。
実績のあるフリバス
このフリバス、は発売されてから15年以上たつ薬剤ですが、実は最近、基礎(動物実験)の研究で他の2剤とは違い、膀胱にも働くこと(抗セロトニン作用)が発見されています。つまり、簡単に言うと、フリバスは尿を出しやすくするための薬剤ですが、ためやすくすることにも作用していることが示唆されてきたのです。
前からハルナール、ユリーフと比べて蓄尿に効果があるのではないか、と医師が経験的に感じてきたことが、発売から15年経ってやっとその理由が見つかりつつあるということです。
頻用に悩んでいる男性、おしっこが出しづらくなったと感じている男性は一度、医師に受診してみると、単に歳をとったから、ではないことがわかるかもしれません。
(前立腺は男性にしかないので、女性の頻尿は過活動膀胱などの別の理由であることが多いです。)