頻尿にお困りの方で、お薬を服用した方が良いかどうが悩まれている方は、多いかもしれません。この症状を改善するお薬には、病院で処方してもらう医薬品の他、薬局やドラッグストアで購入できるものまで様々ですが、ここでは、病院で処方してもらう医薬品の中の、ハルナールという薬剤についてお伝えします。
どうして頻尿になるのでしょうか?
排尿障害には、尿が出にくい、閉塞症状と、尿が近かったり、切迫感のある、蓄尿症状とがあり、頻尿は、蓄尿症状にあたります。
これには、交感神経の、α受容体という受容体部分の働きが活発になっていることから、頻尿の症状が発現することが分かっていて、この症状を改善するためには、お薬の助けが必要になることもしばしばあります。
それでは、次に、頻尿治療薬についてお伝えします。
頻尿治療薬、ハルナールとはどういう薬剤でしょうか?
ハルナールという薬剤は、成分名がタムスロシン塩酸塩というものです。
ハルナールは、尿道や前立腺部のα1受容体というところを遮断する、つまりブロックすることによって、前立腺部の圧力を低下させて、前立腺肥大症に伴う、排尿障害を改善する効果があります。
α受容体というのは、筋肉を緊張させたり、緩めたりすることに関わっている部分ですが、この受容体に結合するものがあれば、筋肉が緊張する方向に働き、ブロックするものがあれば、筋肉を緩める方向に働くことになります。
ハルナールは、この受容体の部分をブロックして、筋肉を緩める方向に働くため、前立腺や尿道の筋肉の緊張を緩めて、尿道を広げ、尿を出しやすくします。
尿が出やすくなるのに、治療できるの?
ここで、尿が近いのに、ハルナールを服用して、尿が出やすくなることで、どうして治療できるのかと不思議に思われる方もいらっしゃると思いますが、膀胱に尿が十分溜まっていないのに、膀胱が刺激を受けて、尿を出そうとするけれども排尿できない、といった状態になっているのを、ハルナールを服用することで、尿道や前立腺の筋肉の緊張を緩めて、膀胱への刺激を減らすことができます。
そうすると、膀胱に尿を溜めることができるようになり、無理に排尿するようなことはなくなっていきます。
ハルナールは、排尿障害を治してくれる、尿が出にくいのを改善するお薬、というイメージがありますが、結局は、正しく膀胱に尿を溜め、正しく排尿できるようにし、症状を改善するお薬である、ということができます。