漢方を利用する事で体質を改善していくと頻尿を改善できる可能性があります。
ホルモンバランスの乱れや器官の機能低下などの様々な要因によって生じると、西洋医学によって理解される病気であっても、症状から対処できる東洋医学の考え方を利用すると適切な使い分けをすれば改善が見込みやすいのです。

西洋医学と東洋医学の基本的な考え方の理解

頻尿は、膀胱の活動度が上昇してしまうことによって生じる病気であるというのが西洋医学での理解です。
その原因としてホルモンバランスの乱れや関連する諸器官の機能低下、中枢神経系の制御の乱れなどが指摘される場合があります。

様々な要因によるため、治療が困難であるというのが西洋医学の考え方ですが、東洋医学では異なると知っておきましょう。

基本的に症状に対して根本的な改善を考えていくのが東洋医学の考え方であり、頻尿という症状をより詳細に分析して適切な薬を使い分けていくのが治療方針です。

漢方の選択には、この考え方がもとにあって薬の使い分けが行われているという理解が大切になります。典型的な二例を見ておきましょう。

腎陽虚の場合の対処法

cb3b07b677_s

頻尿の一つの症状として典型的なのが、夜間に何度もトイレに起きてしまって困るという状況です。この場合には腎陽虚と呼ばれる証であると考えられます。
この場合には腎の機能が低下していることが原因として考えられるため、その賦活化をするための漢方が処方されるでしょう。

身体の冷えが起こってしまっていてむくみを生じやすいのも特徴であり、昼間のうちに溜め込んでしまった水分を夜になって排出する身体になってしまっています。
この際には身体を温めて循環を良くする効果がある「八味地黄丸」が治療に用いられるのが基本です。身体の中に水分が貯まりにくくなり、夜に尿意を及ぼすことが少なくなるでしょう。

肝鬱気滞の場合の対処法

もう一つの頻尿の形として多いのが昼間から頻繁にトイレに行きたくなり、特に緊張するとその頻度が高くなるというものです。この場合には肝鬱気滞と呼ばれる証と考えられます。
このときには肝の気が低下していて、ストレスに苛まれているために頻尿になっている可能性が高いというのが漢方の考え方です。

対策となるのが、肝の状況をリラックスさせていくための漢方薬の処方であり、「四逆散」や「加味逍遙散」がよく用いられています。

こういった形で症状からわかる証に対して適切な漢方を使い分けていくと改善が見られると期待できるのです。