血圧が常時、高い状態が続くと、その症状として頻尿が出てくることもあります。
これは塩分の過剰摂取によって水分摂取量が増えるため、また腎臓の機能に負担がかかりやすくなるためです。

高血圧は症状が進行すると様々な重篤な合併症を引き起こすことも多いので、注意が必要です。特に高齢者の場合は、このような症状が見られた場合には、日々の血圧をチェックすることが求められます。

高血圧と頻尿の関係~水分摂取量の増加

高血圧になる原因には様々なものがありますが、そのひとつが塩分の過剰摂取です。
それにより喉が渇いたり、体内の塩分と水分のバランスが崩れたりすると、それを癒すために多くの水分を摂取するようになります。すると摂取した水分量だけ血液量も増加するため、血管にかかる負担が増加すると言うメカニズムです。

そして当然、摂取する水分量が増加すると、それを尿として排出する回数も多くなるため、頻尿が発生しやすくなります。特に1日の中で摂取する水分量を減らしてみて、尿に行く回数が減少すると言う場合は、これに該当している可能性が強くあります。

高血圧と頻尿の関係~腎臓への負担

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そしてもうひとつ、高血圧と関係が深いのが腎臓の機能です。
腎臓は体内の塩分と水分のバランスを調整している臓器です。またここからは、血圧を安定させる物質も分泌されています。

そのため、血圧が高い状態が続くと、その影響を受けやすい臓器だと言えます。
排尿に対しての影響もそのひとつです。

交感神経から分泌されるホルモンのひとつにカテコラミンと呼ばれるものがあります。
これには血圧を高くする作用があるため高血圧になると分泌されやすくなるのですが、そうすると腎臓の血液抵抗が高くなり、血流量が下がりやすくなります。すると尿の生産量が、1回に排出される必要量を満たさなくなってしまいます。

その結果、成分としては薄い尿を何度も出さざるを得ないと言う状況になるため、頻尿が発生しやすくなるというメカニズムが出るようになります。
カテコラミンは就寝中には下がるのですが、血圧が高い人の場合、日中と同じレベルで分泌されています。そのため日中は勿論のこと、夜間にも頻繁にトイレに行きたくなるということが多くなります。

高齢者への注意点~血圧を計測する

こうしたことは誰しもに起こりうることです。
ただ、特に高齢者の方に対しては、トイレが近いのが当たり前と言う思い込みがあるため、それを血圧と結びつけて考えにくいかもしれません。

高血圧は自覚症状が少ないゆえに、そう診断された時にはかなり症状が進行していると言うことも多くあります。その結果、重篤な合併症、腎症や動脈硬化などが発症してしまっていて、健康に大きな影響を及ぼすこともあります。ですから、高齢者の方であっても、定期的に血圧を計測し、その数値の変動を見守ることが大切です。