高齢者の排尿障害は主に男性に起きることが高く、前立腺肥大が影響していることが多くなっていますが、女性でも機能低下などで起きる可能性があり、看護を行う際には何が原因かを突き止めて、原因にあった対応を取ることが求められます。
排尿パターンを把握するとともに障害タイプを調べる
高齢者に対する排尿障害の対応を間違ってしまうと、精神的なショックを与えてしまったり意欲が低下してしまい生活の質を悪くしてしまうことや、寝たきりを誘発してしまうことがあります。
安易に自己判断せず専門医で受診するとともに、排尿パターンを記録してどんな障害が起きているのかを把握することが大切です。
服用している薬の影響で、排尿や畜尿に障害が出てしまうことがあって、膀胱に影響を与える薬や脳に影響を与える薬などを服用しているときには医師に相談するべきです。
尿が排出できなくなるとき、糖尿病や椎間板ヘルニアなどほかの疾患が影響していることがあり、前立腺肥大や尿道狭窄、膀胱頸部硬化症などもあります。
尿失禁の場合は、切迫性や腹圧性、機能性や溢流性などのタイプがあって、それぞれで原因が違ってきます。
排尿障害があると看護軽減のため、すぐにおむつや尿道カテーテル留置の判断をしてしまいますが、本人の意欲をそいだり運動や行動を制限することにつながってしまうので、できるだけ本人の意欲を失わせないような手段を模索するべきです。
治療により自然な排尿を目指し自律的生活機能を取り戻す
一度おむつや尿道カテーテルに頼ることになっても、いつまでもそのまま導入を続けるのではなく、離脱を目指して本人とともに治療に取り組むことが重要です。
他の疾患が影響している場合、完治に時間がかかってしまうこともありますが、尿道カテーテルは特に早期のうちに抜去できるように医師と協力しながら取り組んでいくと良いです。
精神面や身体的なことだけでなく環境を整えることも大切で、自宅のトイレが不自由なく使える状態になっているかなど確かめてから離脱を目指すことが求められます。
排尿日誌を書いて抜去後の経過を見守る
尿道カテーテルを抜去後に、自尿があるかどうか確かめつつ、日誌をつけていくと今後必要となってくる看護の方法などが見えてきます。
時間や排尿量だけでなく、トイレまで失禁せずに行くことができたか、漏れがあったかなども記すようにします。
おむつを着用しているときには、1時間ごとにおむつの状態を確認して記録を付けると良いです。