夜中にトイレが近い、そのため就寝中に目が覚めてしまう、そして、それが睡眠不足など日常生活上何らかの支障を来たしている状態を夜間頻尿と呼びます。
ポイントは、日常生活に支障をきたしているということです。
夜間頻尿の注意点とは
ぐっすりと眠れない、朝起きるのがつらくなる、日中に眠気が生じているなどが代表的な支障です。良質の睡眠は健康にとって重要ですから、夜中にトイレが近い、そのために目が覚めるというのは良質の睡眠、ひいては日常生活に支障を生じる可能性が十分にあるわけです。
注意点としては、直接的には回数が問題となるわけではないということです。
1回だから問題ではないとか、3回もあるから問題だと機械的に考えるのではなく、あくまでも日常生活に支障が生じているかどうかを基準として判断します。
たとえ1回だけであっても、目が覚めてしまうことでぐっすりと眠れないというのは十分に考えられますから、そういう場合は、辞書的な意味で頻繁ではなくても、夜間頻尿と判断されます。
原因、ホルモンや腎臓の働き
原因としてはもちろん就寝前に多くの水分を取っていることや、利尿作用のある飲み物を取っていることが一つには考えられます。
しかし、多くの場合、そういうことには既に留意している人が多いです。
実際には、ホルモンの変化や腎臓の働きの低下によることが考えられます。
健康な状態では、就寝中には尿量が少なくなるようにコントロールされています。
抗利尿ホルモンという、尿量を少なくするホルモンが分泌され、また腎臓でも尿量を少なくするように働きが調節されます。ところが加齢やストレスなどの原因により、これらのコントロール機能が低下することで夜間の尿量が増えてしまい、夜間頻尿を起こします。
原因、睡眠障害
また、一見意外なことですが、睡眠障害もまた夜間頻尿の原因となります。
何のことかというと、表面的にはもともと睡眠障害があって目が覚めてしまい、そのついでにトイレに行っているというケースを指します。
これは根本的には別の病気のように思えるかもしれませんが、人間の体というのはそんなに単純に割り切れるものではありません。つまり、睡眠障害があってトイレが多くなるのか、トイレが多くなるから睡眠障害を起こすのか、全てスパっとどちらかに分類できるわけではなく、両者が渾然一体となっていることも多いということで、睡眠障害を改善することで夜間頻尿が改善することもあるのです。