頻尿を薬で治したいと考え、漢方を取り入れて改善を目指すのであれば、まずは何が原因で頻尿を起こしているのかを突き止める必要があります。
水分の取りすぎやむくみなど、日ごろ生活を注意しながら薬を取り入れるだけで効果が期待できる人もいれば、長期的な治療や手術が必要な状態になっている人もいるためです。
頻尿の状態を確認してクリニックで診察を受ける
現在の体の状態を知ることはとても大切であるので、1日に何回トイレに行くか、尿が出る量や漏らすことがあるかどうか、くしゃみや咳で尿漏れすることがあるかなど自分で分析を行います。
その結果を持って医師のところに行けば、診断を行う際の参考にすることができます。
クリニックでチェック診断表を作っていて、書かされる場合もあります。
男性の頻尿の原因で多いのは前立腺肥大で50代ころから増え始め、60代になると2人に1人は前立腺のサイズに変化があって、膀胱や尿道が影響を受けることが多くなります。
排尿したいのに出るまでに時間がかかったり、残尿感が取れない、全部出したと思ったのに残っていて下着を汚してしまう、尿の出ている時間が長いなどの症状があるときには前立腺肥大による可能性が高くなります。
男女ともに増えているのが過活動膀胱で、膀胱の筋肉が過剰に収縮することが原因となり、少量の尿しか溜められなくなる状態でトイレに頻繁に行きたくなったり、強い尿意を急に感じて我慢できずに漏らしてしまう症状がみられるようになってきます。
クリニックで処方が行われる薬の種類
膀胱の筋肉の緊張をほぐすために、影響を与えるアセチルコリンという神経伝達物質の働きを弱める抗コリン薬は、過度な収縮を緩和してくれるので過活動膀胱の人に有効性があります。
尿道のしまりを良くする効果が期待できるβ受容体刺激薬は、尿道を閉める筋肉にかかわるβアドレナリン受容体の活性化が行われます。
前立腺肥大には抗アンドロゲンや5α還元酵素阻害薬などいくつか種類があります。
効果が期待できる漢方と飲み方のポイント
八味地黄丸は体を温めて血流の回復をはかり、むくみを取ることに効果が期待でき、腎臓の働きを良くして夜間頻尿に対して効果が期待できます。
五淋散は頻尿に膀胱炎や尿道炎もあるときによく、炎症を抑えるとともに痛みを和らげてくれて、血流を良くするので余分な水分の排出が促されます。
どちらの漢方も1日3回食前に飲むようにして、100mlほどのお湯に溶かして飲むようにすると、より高い効果が期待できます。
漢方は比較的緩やかに効いてくるため飲み続けることが大切で、慢性的に症状がある人は3か月程度を目安に飲み続けると良いです。