排尿障害に悩まされる人は少なくありません。排尿障害と一言に言ってもその症状は様々です。
おしっこが近すぎる頻尿、おしっこを我慢できない尿意切迫、尿をもらしてしまう尿失禁、おしっこの切れが悪い排尿終末時滴下、おしっこの線が細い尿線細小、おしっこの勢いが弱い尿勢低下など私生活に影響が出るものが多くあります。

これらの疾患はなぜ起こるのか、原因疾患について考えます。

排尿障害が起こる原因疾患

まず男性に多いのが前立腺肥大です。
前立腺が加齢とともに肥大化して尿道を圧迫し排尿障害を引き起こします。男性ホルモンが減り、バランスが崩れて肥大化してしまうものです。

次に女性に多いのが腹圧性尿疾患です。
これは出産や加齢によるホルモンバランスの崩れにより、くしゃみ、咳、起立時などに腹圧がかかることで尿疾患が起こります。骨盤を支えている筋肉のゆるみが原因です。

そして男女ともに多いのが過活動膀胱です。
膀胱は一日のうち大半は尿をためている状態ですが、自分の意志とは関係なく膀胱が勝手に収縮してしまう病気で、加齢や骨盤の筋肉のゆるみの他、脳からの指令がうまく機能していない場合があります。

このように排尿障害の原因疾患をしっかりと見極めたうえで、しっかりとした治療をする必要があります。

それぞれの治療法

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前立腺肥大は、前立腺平滑筋を緩め尿の通りやすくする薬、前立腺を小さくして尿道の圧迫を取る薬などを用いた薬物治療、投薬を行っても改善しない場合には手術による治療を行います。
症状が重い場合には開腹して前立腺を切除しますが、近年はレーザーを使い分解切除する方法が多く使われます。

腹圧性尿疾患においての治療としては、骨盤底筋体操により緩んでしまった骨盤底筋を鍛えて臓器が下がるのを防ぎ、尿道や肛門をしめる力やコントロールする力をつける方法があります。
それでも改善しない場合は尿のコントロールをする薬による治療が行われます。

過活動膀胱の治療は、こちらも骨盤底筋体操や電気刺激治療が行われる場合があります。
これは、電機や磁気で刺激を与え、骨盤底筋の収縮力を強化したり、膀胱や尿道の神経の働きを調整する治療です。症状が重く、これらの治療でも改善しない場合には尿をコントロールする投薬治療が行われます。

原因疾患に適した治療が大切

排尿障害は普段の生活に影響するとても辛い病気です。
原因疾患をしっかりと調べたうえで治療をそれぞれに適した治療をすることが大切です。

また、症状が見られない、軽いうちに予防することも大切です。
下半身の運動、動物性たんぱく質を控えるなどの食生活の見直しなどが有効的です。