夜間に何度も排尿のためにトイレに行きたくなる夜間頻尿。
夜間に何度も目が覚めてトイレに行く生活が続くと、睡眠リズムの乱れにもつながり、不眠症などの睡眠障害に発展するケースも少なくないので、早めの対策が大切です。
とはいえ、夜間頻尿の原因は一つではありません。自分の頻尿の原因を正しく知り、適切な対策をしましょう。
夜間頻尿になるのはなぜ?
夜の就寝中に何度もトイレに行きたくなるのは、尿量の増加や膀胱容量(膀胱に貯留しておける量)の減少が根本的な原因です。
尿量の増加は夜間の水分の摂り過ぎによって生じることが多いので、夜寝る前の水分摂取を極力控えるなどの対策が可能ですが、糖尿病、腎臓の機能障害、高血圧など生活習慣病の影響で生じている場合もあるので、こうした場合には医療機関で適切な治療を受けることが大切です。
また、膀胱容量の減少の原因は、膀胱炎などの膀胱の疾患が代表的ですが、男性は前立腺の疾患のケースも多いようです。
夜間頻尿を引き起こす過活動膀胱とは?
近年、40代以上の男女に増えているといわれているのが「過活動膀胱」という病気です。
過活動膀胱は膀胱が過剰に活動してしまう病気で、前触れもなく突然襲ってくる尿意や、昼夜問わず生じる頻尿の症状が特徴です。
過活動膀胱は、脳や脊髄などの中枢神経系の障害の影響で生じているケースが多いといわれています。
脳血管障害や脊髄損傷、多発性硬化症といった中枢神経系の病気になると、脳と膀胱との情報伝達がうまく行かなくなり、膀胱の機能が不安定になります。
すると、膀胱に尿が少量しか溜まっていなくても尿意が起こった結果、頻尿の症状が起こるのです。
ただし、女性は子宮や膀胱などを支えている骨盤底筋が加齢の影響で衰えることによって発症することも少なくありません。
30代ぐらいでも妊娠・出産後に骨盤底筋を傷めたことによる後遺症で発症する場合もあるので、出産後に頻尿が起こった場合には速やかに医療機関を受診しましょう。
中高年の男性に多い前立腺肥大症
中高年の男性が夜間頻尿になる原因に多いのが前立腺肥大症です。
前立腺は膀胱の下のあたりにある生殖器で、男性だけに存在します。
通常はクルミくらいの大きさですが、次第に肥大化して膀胱を圧迫するようになるため、膀胱容量が減少して頻尿の症状が起こりやすくなるのです。
前立腺が肥大化するのは、体内のDHT(ジヒドロテストステロン)が増加することが原因といわれています。
中高年になるとホルモンバランスが変化して体内でDHTがつくられやすくなります。DHTは前立腺の肥大化を促すので、前立腺肥大症になってしまうわけです。
ちなみに、ノコギリヤシにはDHTをつくる酵素の働きを抑える働きがあり、前立腺肥大症を予防する効果が期待できるので、男性の夜間頻尿の予防にはノコギリヤシサプリが効果的です。