夜間頻尿とは、夜の睡眠中にトイレのために目が覚めてしまい、そのために日常生活に支障をきたしたり不便を感じることを指します。

定義上は、目の覚める回数は関係ありません。たとえ1回でも、目が覚めることで睡眠不足を感じていれば、それは夜間頻尿に該当します。

夜間頻尿の定義と目が覚める回数

たとえ1回でもと言われると、頻尿という言葉から不思議な気がするかもしれませんが、そもそも健康な人では夜間には尿意をもよおさないようになっています。
ですから1回でも目が覚めることで、睡眠不足など何らかの支障が生じているのであれば、それは健康状態とはいえず病気なのです。

一方で、睡眠不足などの支障を特別感じていないのであれば、たとえ睡眠中にトイレのために目が覚めることがあっても夜間頻尿とは呼ばないということになります。

実際、40歳以上の中高齢者では、ほとんどの人が一晩に最低1回はトイレのために目が覚めているとも言われています。
しかし、では40歳以上の中高齢者のほとんどは病気かというと決してそんなことはありません。

中高齢者はもともと睡眠が浅い

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一般に、中高齢になると睡眠時間も短くなり、もともとの睡眠も浅くなります。

ですから、夜間に1回、しかもそれが就寝から例えば6時間後、起床の1, 2 時間前にトイレのために目が覚めたところで、特に睡眠不足は感じないという人が多いこともまた事実です。
これは定義上、夜間頻尿には当てはまりません。

ただし、たとえ中高齢者でも、夜間にトイレのために3, 4回以上も目が覚めるようになると、さすがに睡眠不足を感じるようになってきます。
それはやはり病気であるということになります。

夜間頻尿の原因は?

大きく分けて3つの原因があります。

一つは単に水分の取り過ぎです。

もう一つは、循環器系あるいは泌尿器系に何らかの疾患があり、夜間の尿量が健康な人に比べて増えてしまうか、あるいは膀胱に十分な量を尿をためておくことができなくなっているためです。
高血圧、心不全などの循環器系疾患のほか、過活動膀胱などの泌尿器系疾患が考えられます。

最後の一つは、不思議な気がするかもしれませんが睡眠障害によるものです。
睡眠障害があるために夜間目が覚めてしまい、目が覚めたついでにトイレに行っていると、あたかもトイレのために目が覚めたかのようにも思えてしまいます。
この場合は睡眠障害を治療することで夜間頻尿も改善することが期待できます。