高齢になってくると増えてくる夜間頻尿には、高齢者だからこその原因があるとされており、最も多い原因が内臓機能の低下や膀胱の萎縮などの老化現象によるものです。
高齢者の夜間頻尿が出現する原因とは?
膀胱の萎縮などが起こると、生成された尿を我慢する事ができなくなるので夜間でもトイレに行きたくなってしまいます。
また、夜に尿の量を減らす抗利尿ホルモンが充分に分泌されなくなることによって、さらに頻尿になりやすくなっています。
また男性の場合は前立腺肥大、女性の場合は膀胱炎や尿道炎など、細菌感染などの原因で夜間頻尿になることが多く、こちらに関しては上記の原因よりも対処しやすくなっているので看護の手を加えるとすればこちらが中心となりやすいです。
ほかにも意外な原因として、日中運動しない事によって発汗せず体内の水分が蓄積してしまい、結果として尿量が増えると言う事も考えられています。
夜間頻尿に対する看護
看護の面で夜間頻尿の対策を考える場合、まず一番に考えられるのが膀胱の過剰な収縮を抑えるための薬の検討です。
日中服用させる事によって体内の水分を日中のうちに排出させ、結果として頻尿を改善すると言う方法で最もオーソドックスな方法とされています。
また現在服用している薬をチェックして、頻尿の副作用がないかどうかを確認する事も必要ですし、日中の排尿回数が少ないのであれば定期的な声かけによってトイレに行かせる習慣を付けるという対策もあります。
そしてチェックしておきたいのが水分摂取量であり、摂取している水分が少ない場合は夜間まで蓄積されてしまう事が考えられるので、1日1500ml前後を目安として飲用してもらうように指導すると言う事も対策になります。
ただしアルコールの場合は頻尿の原因となるため、飲酒している場合は制限を設ける事も必要です。
運動による頻尿改善
最近、夜間頻尿の改善で注目を集めているのが運動療法による治療です。
これは夜間頻尿の原因のひとつである運動不足を解消する事によって頻尿を改善しようというもので、高齢者でも簡単にできるものが中心となっています。
特に骨盤筋を中心とした運動や体操をすることによって、頻尿を改善できるだけではなく、骨盤底筋のゆるみを改善したり肥満や慢性的な便秘も解消する事ができるとされています。
そのため頻尿の原因となっている部分から幅広い症状を改善する事ができるということで、看護のひとつとして取り入れるところが増えてきています。