ノコギリヤシは、中高年男性の多くが悩んでいる尿漏れなどの排尿障害に対して、効果を期待できるということで注目を集めています。ただし、オールマイティーに効果を発揮するわけではないので、使用する際には注意が必要です。今回は、そのポイントについて、説明させていただきます。
ノコギリヤシの具体的な効果
ノコギリヤシは、古くよりインディアンに利用されてきたヤシ科の天然ハーブで、植物ステロールという有効成分を豊富に含んでいます。この成分は、前立腺肥大やAGAの原因物質DHTに対して抗アンドロゲン作用を発揮するので、ドイツやフランスなどのヨーロッパでは医薬品として利用されています。
ちなみに、ノコギリヤシの具体的な作用は、5α-reductaseという酵素の活性を阻害するというものです。
5α-reductaseは、男性ホルモンのテストステロンをDHTに変換するという還元酵素で、この物質を阻害することによりDHTの生産を抑制することになります。この抗アンドロゲン作用をモデルにして開発されたのが、飲む育毛剤として知られているfinasterideです。
ノコギリヤシにより改善される尿漏れ
尿漏れは、中高年男性の多くが悩んでいる排尿障害の一種で、尿道が前立腺に圧迫されていることが直接の原因です。これにより、膀胱は必要以上に尿を排出しようとする習慣が付くので、何かのはずみで少しだけ漏れてしまうようになるのです。
なお、この症状の大部分は前立腺肥大で、DHTの作用により引き起こされています。このために、ノコギリヤシを服用することにより、状況を改善することが可能です。何故なら、DHTの生産が抑制されることにより、前立腺は正常な状態に回復するからです。
これにより、尿道が圧迫されることはなくなり、膀胱へのプレッシャーもかからなくなります。
使用するポイント
なお、ノコギリヤシは排尿障害に対して直接改善するわけではないので、全ての尿漏れに対して効果を発揮するわけではありません。例えば、負傷やストレスによる排尿障害に対しては無効です。
何故なら、これらはDHTが原因ではないので、抗アンドロゲン作用により改善されることはないからです。
このために、ポイントを絞って使用するのが適当です。
具体的には、尿の出が悪くなっているような場合や、常に残尿感を感じているような場合です。
これらは、前立腺により尿道が圧迫されている可能性が高いので、ノコギリヤシを服用することにより状況を改善することが出来ます。