過活動膀胱とは「急におしっこが我慢できなくなる」「トイレが近い」「急にトイレに行きたくなって、我慢できずに尿が漏れてしまう」といった症状が起こる病気です。
なかなか周囲に言いづらい病気ではありますが、悩んでいる人は男女問わず多く、特に年齢を重ねるごとに多くなっています。
症状の原因は、尿を溜めておく器官である膀胱が勝手に収縮してしまうから。
また男性と女性では原因や症状が違うこともあるので、病気かなと思ったときは早めに治療に取り掛かることが大切です。
原因いろいろ
過活動膀胱の原因には、神経因性のものとそれ以外の非神経因性のものがあります。
神経因性とは、脳と膀胱を結ぶ神経にトラブルが生じて起こるものです。
脳と膀胱の筋肉を結ぶ神経にトラブルが起こると、膀胱に尿が少ししか溜まっていないのに尿を出そうとしたり、排泄のための筋肉がうまく連携できずに症状が起こります。
こういった神経のトラブルが原因でないものが、ひっくるめて非神経因性となります。
何らかの原因で膀胱の神経が過敏に働いてしまう場合や、原因が特定できない場合など様々です。また、多くの原因が重なって過活動膀胱が起こっていることもあります。
男性と女性の症状の違い
男性と女性では体の仕組みが違うことから、原因や症状に違いが出ることもあります。
男性の場合、前立腺肥大などが関連している場合があります。
前立腺が肥大すると、肥大した部分が尿道を圧迫し、尿が出にくくなります。出にくい尿を無理に出そうとすると膀胱に負担がかかり、膀胱の筋肉がちょとした理由で過敏に反応するようになり、症状が起こるようになります。
女性の場合、男性に比べて尿道が短いため、尿漏れが起こりやすい傾向があります。また、女性特有の原因として骨盤底筋のゆるみも挙げられます。
骨盤底筋とは膀胱や子宮、尿道を支えている筋肉のことです。加齢や出産によってこの筋肉が弱くなったり傷ついたりすると、排尿のメカニズムがうまく働かなくなり過活動膀胱が起こるようになってしまいます。
行われる治療とは
過活動膀胱の治療には、一般的に飲み薬が使われます。
よく使われるのが抗コリン薬です。膀胱の収縮を抑えてたくさん尿が溜められるようになります。
男性で前立腺肥大を伴っている場合は、α1ブロッカーという前立腺肥大のための薬が処方されます。
その他に行動療法を受けることもあります。大きく分けて生活指導、膀胱訓練、骨盤底筋体操があり、組み合わせて行うことも多くあります。