最近、テレビコマーシャルでも「過活動膀胱(OAB)かも」という啓蒙CMが流れています。でも、そもそも過活動膀胱って何なんでしょう。
そして、その治療薬として日本ではベシケアという薬がシェアNo1ですが、ベシケアってどういものなんでしょう。
過活動膀胱について
まず、過活動膀胱についてです。
主に女性なのですが、最近、頻尿(トイレが近くなった)、くしゃみをしたときや重い荷物を持ち上げようとしたときなど、少し尿が漏れてしまう、それは過活動膀胱かもしれません。膀胱の活動が過剰とは・・・そもそも膀胱の活動ってなんでしょうか??
膀胱というのは尿を貯める袋です。
空気を溜め込む風船=尿を溜め込む膀胱というイメージです。これがしっかりと貯められる状態であれば、トイレに行く回数も減らすことになりますよね。
膀胱は尿を貯める袋ですが、ひとつの働き、活動を持っています。
それは排尿するときにぎゅぎゅーと収縮することです。
トイレで尿を出すときは尿を押し出すために、膀胱が収縮(縮む)する。これが膀胱の活動であり、本来活動する場面でない時も活動してしまう(膀胱を収縮させてしまう)状態が過活動膀胱です。簡単でしょう??
薬を使って改善
ベシケアですが、過活動膀胱、頻尿に悩む多くの女性に使われています。
また、男性でも前立腺肥大症は進行すると膀胱に圧力をかけるので過活動膀胱になることがあります。この場合は男性にも処方されます。
ベシケアは抗コリン薬と呼ばれるもので、簡単に言うと、膀胱を収縮させる物質であるコリンが膀胱に届かないようにするものです。デトルシトール、トビエース、ウリトス、ステーブラ、ネオキシテープなども同じ仲間になります。
このコリンですが膀胱だけでなく全身で様々な働きをするものでして、膀胱では膀胱の壁を収縮させる働きですが、口では唾液を出させる働き、消化機能を活発にさせる働きなどを持っております。
ベシケアなどの薬はできるだけ膀胱に働くように設計されているのですが、人には個人差や相性があります。膀胱だけでなく、唾液を出させる働きもブロックしてしまうこともあるのです。つまり、薬が効いているがゆえに、他の場所にも営業がでてきてしまう、ということなのです。
ベシケアのデメリットってどんな事?
ベシケアなどのこの抗コリン薬で最も多い副作用(デメリット)は口渇、便秘でして、これは先ほど申しましたように、コリンが膀胱だけでなく、唾液を出させたり、消化をすすめる働きをもっており、そこもブロックしてしまうが故に起こるのです。
過活動膀胱、頻尿の治療をしているけど、最近便秘なのよねーという方、口の中や喉がかわいて気持ち悪い、という方は実はこの副作用かもしれません。
きいている証拠ではありますが、辛いような医師に相談してください。
この仲間のものはたくさんありますので、もしかしたら、膀胱は抑えるけれど唾液ブロックさせるほどは働かない、そういう相性のいいものがあるかもしれません。