ノコギリヤシは、AGA治療薬プロペシアのモデルとも言われている天然ハーブで、薄毛に対しての改善効果を期待できます。ただし、ダイレクトに発毛を促進する作用はないので、長期的に利用しなくてはなりません。それでは一体、どれぐらいの期間がかかるのでしょうか?その仕組みと発毛を体感するまでにかかる日数について説明いたします。

ノコギリヤシが薄毛を改善する仕組み

ノコギリヤシの果実には、plant sterolという有効成分が含まれており、ドイツやフランスなどの欧州連合では医薬品として承認されています。これは、plant sterolには抗アンドロゲン作用があり、悪玉男性ホルモンのDHTの生産を抑制するからです。

ちなみに、DHTにより引き起こされる症状は、夜間頻尿などの排尿障害で知られる前立腺肥大や、M字ハゲやO字ハゲなど生え際から頭頂部にかけての部分が薄毛になるAGAが代表的です。
このために、ノコギリヤシを服用することにより、これらの症状の進行が緩和されることになります。
これは、原因物質の生産が抑制されたからです。

発毛するまでにかかる期間

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ノコギリヤシによる育毛効果は、毛根に直接作用する類のものではないので、薄毛から正常な状態に回復するまでにはかなりの期間が必要となります。ちなみに、ノコギリヤシをモデルに開発されたプロペシアは、2,005年に厚生労働省に承認される際に、一年間の臨床試験を実施しています。

それによると1日に1㎎処方した結果、半年間継続した時点では改善効果が見られたのは48%にすぎませんでしたが、1年間では58%、2年間で68%、3年間で78%と徐々に増加しています。なお、プロペシアの作用機序はplant sterolとほぼ同じで、5α還元酵素の活性を阻害することにより、DHTの生産を抑制するというものです。

ただし、plant sterolがⅠ型とⅡ型の両方の5α還元酵素に作用するのに対して、プロペシアが阻害するのはⅡ型のみです。つまり、より効率的に作用するということで、効果が発揮するまでにかかる期間は短くなることが予測されます。逆に言うと、ノコギリヤシはプロペシアよりも効果が発揮されるまでに時間がかかるということです。

効果を感じる具体的な日数

プロペシアの臨床試験からも分かるように、DHTブロックによる効果は徐々に発揮されます
このために、ノコギリヤシによる発毛も同様に時間がかかるので、最低でも半年間、長ければ3年間程度は必要ということになります。