ノコギリヤシは、北米南部に分布するヤシ科の植物で、この地方に住むインディアンが強壮剤として使用しており、彼らに前立腺疾患が少ないことで注目されていました。
この効果を検証したところ、前立腺肥大の抑制効果が確認され、ヨーロッパでは、このエキスが前立腺肥大の治療薬として認可されるようになりました。
１９９０年代にジヒドロテストステロンや５α還元酵素の研究が進み、「この作用がノコギリヤシにも存在するのではないか？」との研究がなされ、ノコギリヤシ成分にも５α還元酵素の抑制作用があることが分かり、脱毛予防効果と前立腺肥大抑制効果があり事が分かりました。
５α還元酵素の活性を抑えることによる効果
フィナステリドは男性ホルモンのテストステロンが、５α還元酵素によりジヒドロテストステロンに変わるとき、5α還元酵素の活性を抑えることにより、ジヒドロテストシテロンができなくなるようにすることで、前立腺肥大症並びに前立腺癌を抑制する方向で働きます。
ＡＧＡにおいてジヒドロテストステロンは、皮脂腺の受容体と結びつき、過剰な油分を分泌させ、毛穴を塞いでＡＧＡを悪化させますが、5α還元酵素の活性を阻害する事により、脱毛予防をし、さらに成長期に入った後、発毛する事により発毛促進の効果があります。
ノコギリヤシの前立腺肥大症並びに発毛促進効果
1990年代の研究の結果、ノコギリヤシにも5α還元酵素の活性を抑えることにより、男性ホルモンのテストステロンがジヒドロテストステロンに変わるのを抑制することが分かりました。
しかしながら、この成分のジヒドロテストステロンになるのを抑える力はどのくらいのものかという事は、今の研究段階では、正確な数字は分かっておりません。
日本の薬機法では、「一つの成分をどの程度使用したら、効果があるか」と言う事を調査したうえで載せています。ノコギリヤシのようなハーブがヨーロッパでは医薬品として認められていますが、日本では、医薬品としては、認められていません。
ノコギリヤシのＡＧＡへの効果
現在ノコギリヤシ単体での発毛効果は、フィナステリドやデュタステリドのように、はっきりとは表されませんので、日本では、この発毛促進効果が、化粧品や健康食品と言う枠内にいれられています。
しかしながら、食品と同じ枠組みとはいえ、数多の野草やハーブの成分とミックスされて発売されており、なかには個人差もありますが、高い効果を示しているものもあり、さらに、今後の研究で、より高い効果があると認識されるものも出て来るでしょう。
