ノコギリヤシは、中年以降の多くの男性が悩んでいる薄毛と夜間頻尿の両方に効果を期待できるということで、多くの人に利用されています。
その仕組みはどのようなものなのでしょうか?内容について、説明していくことにします。
ノコギリヤシとは?
ノコギリヤシは、葉がノコギリの様な形をしているヤシ科の天然ハーブで、アメリカ大陸の先住民により、古くから薬用や食用として利用されてきた歴史を持っています。
ちなみに、アメリカ大陸の先住民族インディアンは、日本人と同じ人種グループに属しているにも関わらず、薄毛の割合が極めて少ないことが知られています。
これには、ノコギリヤシの利用が関係している可能性があります。
ノコギリヤシの育毛効果
ノコギリヤシの果実には、 phytosterolという成分が豊富に含まれており、欧州連合では前立腺肥大の治療に利用されています。これは、 phytosterolによる抗アンドロゲン作用によるもので、前立腺肥大の原因物質DHTを抑制するためです。
具体的には、DHTの生産に関与している5α還元酵素の活性を阻害するというもので、これにより前立腺の肥大が収まるので、尿道も圧迫されることがなくなり、尿のスムーズな排出が可能となります。
なお、DHTは、前立腺肥大だけではなく、AGAという症状を引き起こす作用もあるので、phytosterolはこちらに対しても効果を発揮することになります。
これは、髪の毛にダイレクトに作用する育毛効果ではなく、脱毛症の原因物質の生産を抑制するという内容です。このために、急激に髪の毛が増えるという変化ではなく、抜け毛が減少することにより、徐々に自然な状態に回復するという内容です。
AGA以外に対しての効果
ノコギリヤシによる抗アンドロゲン作用をモデルにして開発されたfinasterideの1㎎錠は、AGA治療薬のプロペシアとして提供されています。この治療薬は、phytosterolをさらに効率的に改良したもので、生え際から頭頂部にかけての毛根と前立腺に存在している5α還元酵素のⅡ型にのみ作用します。このために、特定の部位のDHTのみを抑制できるので、ピンポイントで不調を解消することが可能となります。
ちなみに、プロペシアは直接的な育毛効果はないので、AGA以外に対しての脱毛症に対しては、ノコギリヤシ同様に無効です。また、女性のAGAに対しても効果がないことが判明しています。