男性の悩みを改善するということで、ノコギリヤシのサプリメントは人気を集めています。今回は、その中から特に抜け毛改善効果にスポットを当てて、どのような仕組みにより改善するのかを説明することにします。
抜け毛の仕組み
髪の毛は、毛根の内部の毛母細胞が分裂することにより、1か月に約1cmというペースで成長します。
この状態が数年間続いた後に、毛母細胞の活動が低下する退行期という状態になります。
さらに、この状態が数週間続くと毛母細胞の活動が完全に停止する休止期という状態に移行し、髪の毛は全く伸びなくなります。ただし、毛根が健康的な状態を保っているばあいは、毛母細胞の活動は再び開始されます。
このように、成長期→退行期→休止期→成長期の順番に移行する毛周期のことはヘアサイクルと呼ばれています。そして、休止期から成長期へと移行することで、新しく作られた髪の毛に押し出されるような形で、古い髪の毛は毛穴から離れることになります。
これが、髪の毛が抜ける仕組みで、ヘアサイクルが正常であれば何の問題もありません。
しばらくすれば新しい髪の毛が、太く長く成長するからです。
問題のある抜け毛
男性の薄毛の大部分は、DHTという物質が原因のAGAという症状です。
この症状は、DHTの作用により、ヘアサイクルが狂わされることで成長期が短縮されるという内容です。
具体的には、数年間は続く髪の毛の成長が、半年から1年程度にまで短くなってしまいます。
このために、太く長く成長できなくなるので、短い抜け毛や細い抜け毛が占める割合が多くなります。
ちなみに、DHTの生産に関与しているⅡ型5α還元酵素は生え際から頭頂部にかけての部分の毛根内部に存在しているので、AGAによる薄毛はこの部分に集中します。
つまり、M字ハゲやO字ハゲと呼ばれているものの大部分はAGAということになります。
ノコギリヤシによるAGAに対しての効果
ノコギリヤシは、AGA治療薬プロペシアのモデルとなったと言われている天然ハーブです。具体的な作用機序は、5α還元酵素の活性を阻害するというもので、DHTの生産を抑制されることになります。これにより、AGAの根本的な原因が改善されるので、ヘアサイクルが正常な状態に回復することになります。すると、当然短縮されていた成長期も再び数年間続くようになるので、短い状態のまま抜けることはなくなります。
ただし、ノコギリヤシは髪の毛や毛根に対しての直接的な作用はないので、これらの機能が喪失した状態から回復させることは出来ません。このために、抜け毛が気になるという段階で服用するのが適当です。