男性ホルモンのtestosteroneは、筋肉と骨格の形成や精子の生成などに関与している物質で、思春期に分泌量が急増します。
これにより、男性としての特徴が形成されていくのですが、それに伴う問題も発症する確率が高くなります。それは、testosteroneの一部が変化して作りだされるDHTという物質が原因です。
DHTと頻尿の関係
このDHTは、testosteroneをサポートするとともに男性生殖器の発育に関与している物質です。ところが、これとともに分泌量が増加すると前立腺の肥大をもたらしてしまいます。
前立腺が肥大すると尿道が常に圧迫されてしまうので、排尿に支障をきたすことになり、スッキリしない状態となります。このために、膀胱内の尿を一度に排出することが出来なくなるので、何度もトイレに通う頻尿という状態となります。
なお、体内で生産されている物質が根本的な原因であり、頻尿は昼夜問わず発生することになります。
つまり、睡眠中もお構いなしということであり、夜中に何度も目が覚めてトイレに行かなければならないという状態となるので、慢性的な寝不足となってしまいます。
頻尿に効果があるノコギリヤシ
ただし現在では、このDHTが原因の夜間頻尿などのデリケートな問題を改善する治療薬やサプリメントが開発されています。
その中で最も広く知られているのがノコギリヤシであり、多くの人に愛用されています。
このノコギリヤシは、アメリカ大陸に自生しているヤシの一種で、古来より先住民族に食用や薬用として利用されてきた歴史があります。
なお、ノコギリヤシの基本的な作用機序はというと、DHTの生産に関与している5α-reductaseという還元酵素の活性を阻害するというものです。これにより、DHTが減少するので、圧迫されていた尿道が元の状態へと回復することになります。
これにより尿を常にスムーズに排出できるようになるので、夜間頻尿からも解放されることになります。
ちなみに、このノコギリヤシの効果については、日本では未だに厚生労働省からは承認されていません。
このために、あくまでも健康食品やサプリメントとして販売されているのですが、ヨーロッパでは医薬品として正式に承認されています。
ノコギリヤシはAGAにも効果が期待できる
なおノコギリヤシは、夜間頻尿以外に男性の多くが悩んでいるAGAに対しても進行を防止する効果を期待できます。
これは、AGAは前立腺肥大と同じくDHTが原因の症状だからです。根本的な原因が改善されることにより、症状が改善されるという結果につながります。